サージェリーファースト法による顎変形症治療 Q&A
顎矯正手術について患者様から以下のような質問を受けます。
予定手術ですので、術前・術後はどのようなことが予想されるかを把握した上で、仕事や学校のスケジュールを調整されると思います。
手術までの流れは?
口腔外科を最初に受診する場合もあれば、矯正歯科を最初に受診する場合もあるでしょう。
いずれの場合も両科を受診する必要があります。当院を最初に受診し、顎矯正治療の適応があると診断した場合は、連携矯正歯科を受診して診察を受けていただきます。その後は以下の流れになります。
- 手術日の決定
- 術前検査や入院の申し込み(2時間程度)
- 入院
- 手術
- 退院(手術翌日)
- 術後の通院(退院直後は週に1回程度)
いつから働けるのか?
社会復帰するには体重の維持が必要です。
術後の経口摂取量が低下する原因として、以下の要因があります。
- 知覚神経麻痺
(下唇、オトガイ部皮膚、口腔粘膜)
- 開口障害
- 創部痛
- 食欲の低下
これらの症状が改善するには2週間程度はかかります。したがって、退院すれば働けますが、術前と同じようにとなると2週間程度かかることが予想されます。前歯部部分骨切り術などでは、1や2は限定的ですので、より早い社会復帰が可能と思われます。
いつもの食事が制限されるのは
どのくらいの期間か?
創部は完全に縫い合わせた閉鎖創となりますので、手術翌日から経口摂取できます。当院では術後の止血を補助する吸引ドレーンを手術翌日に抜去し、積極的に経口摂取を開始しています。しかし下顎枝矢状分割術では下唇、オトガイ部、一部の唇側口腔粘膜の知覚異常が生じていますし、Le-fort Ⅰ型骨切り術や上顎前歯部部分骨切り術では口蓋の前方部分の知覚異常が生じており、注意が必要です。加えて強い開口障害が生じます。普段と同じ食事ができるようになるには、2週間以上かかると思います。
顎間ゴムを装着する期間は?
術後数日の入院期間を経て退院しても、新しい咬み合わせの維持が必要です。そのために顎間ゴムを装着する場合があります。矯正歯科から提供された「スプリント」で咬み合わせを安定させます。口腔外科担当医が定期的にチェックします。約1か月後、術後矯正が開始されますが、矯正医が診察するまでは口腔外科医のチェックが必要です。
入院してから退院までの流れは(術後のケア)?
<入院・手術当日の朝>
手術当日の朝に入院となります。看護師が体調や食止め(手術前の絶食)の確認をします。
<手術室から病室へ帰室>
口の中の吸引チューブによる口腔乾燥、酸素マスク、腕の点滴や尿道カテーテルなど、不快な状態と思います。帰室後3時間程度を目安に、意識がしっかりしたら飲水指導を行い、尿道カテーテルや酸素投与を終了します。
<手術翌日>
ドレーンと呼ばれる吸引チューブを抜去します。その後、お口からの食事を開始します。スープやとろみのある食事から提供します。少量しか食べられなくても問題ありません。手術の傷口は縫い合わせていますので、食べ物が入り込むことはありません。スポンジや歯ブラシを使って口腔ケアを開始していただきます。顎間固定は行いません。
術後の状態への理解も深まり退院できます。手術中に装着したスクリューを除去します。除去は1-2分で簡単に終わります。サージェリーファースト法では、咬み合わせが不安定な場合も多いので、手術後の正しい咬み合わせに誘導する装置を用いる場合があります。
<手術翌日>
ドレーンと呼ばれる吸引チューブを抜去します。その後、お口からの食事を開始します。スープやとろみのある食事から提供します。少量しか食べられなくても問題ありません。手術の傷口は縫い合わせていますので、食べ物が入り込むことはありません。スポンジや歯ブラシを使って口腔ケアを開始していただきます。顎間固定は行いません。
術後の状態への理解も深まり退院できます。手術中に装着したスクリューを除去します。除去は1-2分で簡単に終わります。サージェリーファースト法では、咬み合わせが不安定な場合も多いので、手術後の正しい咬み合わせに誘導する装置を用いる場合があります。
スプリント